体重減少でお困りの方へ
意図せず体重が減少している場合、生活習慣やストレスなどの一時的な要因だけでなく、体内で何らかの病気が進行している可能性があります。「食べているのに体重が減る」「疲れやすい」「体力が落ちた」など、心当たりがある方は、一度医師にご相談ください。
当院では、体重減少の原因を丁寧に調べ、適切な治療をご提案いたします。
体重減少の主な症状
体重減少の症状は、次のようなサインを伴う場合があります。
- 特に理由がないのに体重が減る
- 食欲が低下している
- 以前と同じ食事量なのに体重が減少する
- 倦怠感や疲れやすさを感じる
- 下痢や便秘が続いている
- 発熱が続いている
- 皮膚や髪が乾燥し、体力が落ちたと感じる
体重減少は一見すると「健康的」と思われがちですが、意図しない減少は重大な病気の初期症状である可能性があります。
体重減少の原因
体重減少の原因はさまざまですが、大きく以下のように分類できます。
1. 食生活や生活習慣の変化
- ストレスや疲労による食欲低下
- 不規則な食生活や栄養不足
2. 消化器の病気
胃潰瘍や十二指腸潰瘍
食欲不振や胃の不快感が体重減少につながることがあります。
慢性胃炎や逆流性食道炎
胃の不調で食事量が減ることが原因となります。
大腸がんや胃がん
初期症状として体重減少が現れることがあります。
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)
腹痛や下痢を伴い、栄養吸収が低下する病気です。
3. ホルモンや代謝の異常
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
甲状腺ホルモンの過剰分泌により代謝が高まり、体重が減少します。
糖尿病
血糖値のコントロールが悪化すると、体重が急激に減少することがあります。
4. 感染症や全身性疾患
結核やHIV感染症
慢性的な感染症が体重減少を引き起こします。
慢性肝疾患
肝臓の機能低下により体重が減少する場合があります。
5. 精神的な要因
うつ病や摂食障害(拒食症)
精神的な要因で食事量が減ることがあります。
6. 悪性腫瘍(がん)
多くのがんでは、病気が進行するにつれて体重減少が起こる場合があります。特に胃がん、大腸がん、膵臓がん、肺がんなどでは注意が必要です。
体重減少の診察・検査
当院では、体重減少の原因を特定するために以下の診察や検査を行います。
- 問診
食事量や生活習慣、体重減少のペース、他の症状(疲れやすさ、発熱、腹痛など)について詳しくお伺いします。 - 身体診察
全身状態や栄養状態を確認し、必要に応じてお腹の触診や甲状腺の触診を行います。 - 血液検査
甲状腺ホルモンや血糖値、栄養状態(アルブミンやビタミン)、感染症の有無などを調べます。 - 画像検査
- 腹部エコー検査:内臓の状態を確認します。
- 胸部・腹部レントゲン検査:腫瘍や病変を調べます。
- 内視鏡検査
- 胃カメラ(上部内視鏡検査):胃や食道、十二指腸に病変がないかを確認します。
- 大腸カメラ(下部内視鏡検査):大腸がんや炎症性腸疾患の有無を調べます。
- その他の検査
必要に応じてCT検査やホルモン検査、感染症検査を行います。
治療方法
体重減少の原因に応じて、以下のような治療を行います。
薬物療法
- 胃腸の働きを改善する薬
- 甲状腺機能亢進症や糖尿病など、ホルモンの異常を調整する薬
- 栄養補助剤の処方
食生活の改善
- 栄養バランスを考慮した食事指導
- 消化に良い食品やエネルギー密度の高い食品のアドバイス
精神的ケア
ストレスやうつ症状が原因の場合、必要に応じて専門医療機関と連携し治療を行います。
専門医療機関への紹介
がんや全身性疾患など、専門的な治療が必要と判断される場合には、速やかに連携病院をご紹介します。
体重減少が続く場合、それは体の異常を示す重要なサインかもしれません。特に以下のような場合は、早急に受診することをおすすめします。
- 1か月で5%以上の体重減少がある
- 食事量は変わらないのに体重が減り続ける
- 倦怠感や発熱、下痢、便秘を伴う
- 家族や周囲から「痩せすぎでは?」と指摘される
放置すると病気が進行し、治療が難しくなる場合がありますので、早めにご相談ください。