食欲不振でお困りの方へ
「食欲がわかない」「以前より食事量が減った」「食べ物を見ると気分が悪くなる」など、食欲不振は一時的な体調不良から重大な病気のサインまで、さまざまな原因で起こることがあります。特に、数日以上食欲不振が続いている場合や、体重減少や倦怠感を伴う場合には、医師の診察を受けることをおすすめします。
当院では、食欲不振の原因を丁寧に調べ、一人ひとりに適した治療をご提案いたします。放置せず、お気軽にご相談ください。
食欲不振の主な症状
食欲不振の症状は以下のように現れることがあります。
- 食事をしたいという気持ちが湧かない
- 少量食べただけで満腹感を感じる
- 食べ物を見ると吐き気や不快感がある
- 食事量が減り、体重が減少している
- 胃のむかつきや胸やけを伴う
- 全身の倦怠感や疲労感がある
これらの症状が続く場合、体のどこかに異常がある可能性があります。早めの受診が重要です。
食欲不振の原因
食欲不振の原因は多岐にわたります。主な原因を以下に分類してご紹介します。
1. 消化器の不調
胃炎や胃潰瘍
胃の粘膜が炎症を起こし、食欲が低下することがあります。
逆流性食道炎
胃酸が食道に逆流することで、食欲不振や胸やけを引き起こします。
慢性胃炎や胃がん
胃の慢性的な炎症や病変が食欲低下の原因になる場合があります。
腸炎や過敏性腸症候群(IBS)
腹痛や下痢を伴う腸の疾患でも、食欲不振が見られることがあります。
2. 精神的な要因
- ストレスや不安:精神的な負担がかかると自律神経が乱れ、食欲が低下します。
- うつ病:うつ病の症状の一つとして、食欲不振が現れることがあります。
3. 感染症や全身疾患
風邪やインフルエンザ
一時的な感染症でも食欲が低下することがあります。
結核や肝炎などの慢性疾患
全身性の感染症が食欲不振の原因となる場合があります。
糖尿病
高血糖や胃の運動機能低下が原因で食欲が落ちることがあります。
4. 薬の副作用
特定の薬(抗がん剤、抗生物質、鎮痛剤など)の副作用として、食欲不振が起こることがあります。
5. 悪性疾患(がん)
消化器系のがん(胃がん、大腸がん、膵臓がんなど)では、食欲不振が初期症状として現れることがあります。
6. その他の原因
- ホルモンバランスの乱れ(甲状腺機能亢進症など)
- 栄養不足や脱水症状
食欲不振の診察・検査
当院では、食欲不振の原因を明らかにするために、以下の診察や検査を行います。
- 問診
食欲不振が始まった時期や、食事の量・内容、その他の症状(吐き気、体重減少、疲労感など)について詳しくお伺いします。 - 身体診察
全身の状態や消化器系の異常を確認します。必要に応じてお腹の触診や甲状腺の触診を行います。 - 血液検査
感染症や炎症、栄養状態、肝臓・腎臓機能、甲状腺ホルモンの異常を調べます。 - 画像検査
- 腹部エコー検査:胃や腸、胆のう、膵臓などの臓器を調べます。
- レントゲン検査:腸閉塞や消化管の異常を確認します。
- 内視鏡検査
- 胃カメラ(上部内視鏡検査):胃や十二指腸の粘膜状態を直接確認し、胃炎や胃がんの有無を調べます。
- 大腸カメラ(下部内視鏡検査):大腸の炎症や病変を確認します。
- その他の検査
必要に応じてピロリ菌検査やCT検査を行います。
治療方法
食欲不振の原因に応じて、以下のような治療を行います。
薬物療法
- 胃の働きを改善する薬や胃酸を抑える薬
- 胃粘膜を保護する薬
- 食欲増進剤の処方
食事指導
- 消化に良い食品を中心に、少量ずつこまめに摂取する食事法をアドバイスします。
- 栄養不足が見られる場合は、栄養補助食品の利用を提案します。
生活習慣の改善
ストレスを軽減する方法の指導や、十分な休息・睡眠を取ることを促します。
専門医療機関への紹介
悪性疾患や重篤な病気が疑われる場合は、速やかに専門医療機関をご紹介します。
「疲れているだけ」「そのうち治るだろう」と放置していると、食欲不振が慢性化し、体力低下や病気の悪化につながる可能性があります。特に以下の場合は、早めに医療機関を受診してください。
- 1週間以上食欲不振が続いている
- 体重が減少している
- 吐き気や腹痛を伴う
- 倦怠感や発熱を伴う