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胃ポリープ

胃ポリープは、胃の内側を覆う粘膜にできる隆起状の病変のことを指します。多くの場合、良性で自覚症状がないことが多いですが、まれに胃がんの原因になることもあります。胃カメラ検査で発見されることが一般的で、種類によって治療が必要かどうかが異なります。

胃ポリープは、その大きさや形、数、粘膜の状態によって分類され、場合によっては切除が必要になることもあります。定期的な検査と適切な治療が重要です。

主な症状

胃ポリープは多くの場合、自覚症状がほとんどありません。しかし、ポリープが大きくなると以下のような症状が現れる場合があります。

  • 胃の不快感や胃もたれ
  • 吐き気や嘔吐
  • みぞおちの痛みや違和感
  • 黒っぽい便(タール便)や吐血(ポリープからの出血が原因の場合)

症状が出ない場合でも、放置するとポリープが大きくなったり、がん化したりする可能性があるため、定期的な検査が重要です。

胃ポリープの種類

胃ポリープにはいくつかの種類があり、性質や治療方針が異なります。

1. 過形成性ポリープ

  • 胃の粘膜が炎症を繰り返すことで発生するポリープです。
  • 多くは良性ですが、大きなものはまれにがん化することがあります。
  • ピロリ菌感染との関連が指摘されています。

2. 胃底腺ポリープ

  • 胃の底部(胃底腺)にできるポリープで、多くは良性です。
  • ピロリ菌感染とは関係がなく、特に若い女性に多く見られます。
  • がん化のリスクはほとんどありませんが、大きくなる場合は切除することがあります。

3. 腺腫性ポリープ

  • 胃粘膜の腺腫が発生するポリープで、がんの前段階とされることがあります。
  • 高齢者に多く、がん化のリスクが高いため、早期の切除が推奨されます。

4. 炎症性ポリープ

  • 胃炎や胃潰瘍の影響で粘膜が盛り上がってできたポリープです。
  • 良性であることがほとんどですが、胃炎の治療を行いながら経過観察が必要です。

これらの種類の中で、特に腺腫性ポリープは注意が必要で、定期的な検査や早期治療が推奨されます。

診断と検査について

胃ポリープは、主に以下の検査で診断されます。

  1.  胃カメラ(上部内視鏡検査)
    胃の内部を観察し、ポリープの有無や形、大きさ、数を確認します。必要に応じて、ポリープの一部を採取し病理検査を行い、良性か悪性かを判定します。
  2. ピロリ菌検査
    過形成性ポリープが発見された場合、ピロリ菌感染が関連していることが多いため、尿素呼気試験や便中抗原検査でピロリ菌の有無を確認します。
  3. バリウム検査
    胃の状態をX線で確認する方法ですが、詳細な診断には胃カメラが推奨されます。

これらの検査を通じて、胃ポリープの種類やリスクを評価し、治療方針を決定します。

治療法について

胃ポリープの治療は、その種類や大きさ、がん化リスクによって異なります。

1. 経過観察

  • 良性で小さなポリープの場合、定期的な胃カメラ検査で経過を観察します。
  • 特に胃底腺ポリープは、がん化のリスクが低いため、治療を行わない場合が多いです。

2. ピロリ菌の除菌治療

  • ピロリ菌感染が確認された場合、除菌治療を行うことでポリープが縮小することがあります。
  • 過形成性ポリープがある場合、除菌により新たなポリープの発生を防ぐことも期待されます。

3. 内視鏡的切除

  • 腺腫性ポリープやがん化のリスクが高いポリープの場合、内視鏡を使ってポリープを切除します。
  • 内視鏡粘膜切除術(EMR)内視鏡粘膜下層剥離術(ESD)などの方法で、安全かつ低侵襲で切除が可能です。

予防方法

胃ポリープを予防するためには、次のような生活習慣を心がけることが大切です。

  • ピロリ菌感染を予防する
    ピロリ菌に感染している場合は早期に除菌治療を行うことで、新たなポリープの発生や進行を防ぐことができます。
  • 規則正しい食生活
    消化に良い食品を選び、胃に負担をかけない食事を心がけましょう。
  • 禁煙・節酒
    タバコやアルコールは胃粘膜を刺激し、ポリープを悪化させる要因となります。
  • 定期的な検査
    ポリープが発見された場合は、定期的に胃カメラ検査を受け、進行をチェックすることが重要です。

よくある質問

胃ポリープは必ず治療が必要ですか。

胃ポリープの多くは良性で治療を必要としませんが、種類や大きさによっては切除が必要になる場合があります。医師の診断に基づき適切な対応を行いましょう。

ピロリ菌を除菌するとポリープは治りますか。

過形成性ポリープの場合、ピロリ菌を除菌することで縮小したり、新たなポリープの発生を抑えることが期待されます。胃底腺ポリープには除菌の効果はありません。

胃ポリープががん化する可能性はありますか。

腺腫性ポリープはがん化するリスクが高いため、早期の切除が推奨されます。その他の種類のポリープでもまれにがん化することがあるため、定期的な検査が重要です。

症状がなくても検査を受けたほうがいいですか。

はい。胃ポリープは自覚症状がないことが多いため、特に胃がんの家族歴がある方や胃に不快感がある方は検査を受けることをおすすめします。

胃ポリープがあると胃がんになりやすいですか。

胃ポリープの種類によります。特に腺腫性ポリープがある場合はリスクが高くなりますので、早期の対応が必要です。

胃ポリープは多くの場合良性ですが、種類によってはがん化のリスクがあるため注意が必要です。胃カメラ検査による早期発見と適切な治療、生活習慣の見直しによってリスクを軽減できます。当院では、患者様の状態に合わせた丁寧な診断と治療を提供しております。胃の不調や検査をご希望の方は、ぜひお気軽にご相談ください。