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大腸ポリープ

大腸ポリープは、大腸の内側を覆う粘膜にできる隆起状の病変を指します。多くの大腸ポリープは良性ですが、一部のポリープは放置するとがん化する可能性があります。特に「腺腫性ポリープ」は、大腸がんの前段階とされているため、早期の発見と適切な治療が重要です。

大腸ポリープは自覚症状がほとんどなく、健康診断や大腸内視鏡検査で偶然発見されることが多いです。定期的な検査を受けることで、大腸がんのリスクを大幅に減らすことができます。

主な症状

大腸ポリープは初期段階ではほとんど自覚症状がありません。ただし、ポリープが大きくなると以下のような症状が現れる場合があります。

  • 血便や便に血が混じる
  • 便秘や下痢を繰り返す
  • 腹痛やお腹の張り
  • 便が細くなる
  • 貧血(ポリープからの出血が原因)

これらの症状がある場合、早めの医療機関受診をおすすめします。

大腸ポリープの種類

大腸ポリープは、形状や性質によっていくつかの種類に分類されます。それぞれがん化のリスクが異なるため、正確な診断が必要です。

1. 腺腫性ポリープ

  • 最も多く見られるタイプで、大腸がんの前段階となることがあります。
  • 大きさが大きくなるほど、がん化するリスクが高くなります。
  • 一般的に内視鏡で切除が推奨されます。

2. 過形成性ポリープ

  • 良性のポリープで、がん化のリスクはほとんどありません。
  • 大腸の左側(直腸付近)に多く発生します。

3. 鋸歯状ポリープ

  • 一部の鋸歯状ポリープはがん化する可能性があるため注意が必要です。
  • 特に右側結腸に発生した場合、がんのリスクが高いとされています。

4. 炎症性ポリープ

  • 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)に伴って発生するポリープです。
  • がん化のリスクは低いですが、基礎疾患の管理が重要です。

これらの種類は、内視鏡検査や病理検査によって診断されます。

診断と検査について

大腸ポリープは以下の検査によって診断されます。

1. 大腸内視鏡検査

  • 大腸内を直接観察し、ポリープの有無や大きさ、形状を確認します。
  • 必要に応じてポリープの一部を採取(生検)し、良性か悪性かを病理検査で調べます。
  • 検査中にポリープを切除することも可能です。

2. 便潜血検査

  • 便に目に見えない微量の血液が混じっていないかを調べる検査です。
  • ポリープやがんが疑われる場合、精密検査として大腸内視鏡検査が行われます。

3. CTコロノグラフィー(仮想内視鏡検査)

  • CTを使って大腸内を3D画像で観察します。
  • 非侵襲的な検査ですが、ポリープが見つかった場合は内視鏡検査が必要です。

治療法について

大腸ポリープの治療は、ポリープの種類や大きさ、がん化リスクに応じて決定されます。

1. 内視鏡的切除

  • 内視鏡を使用してポリープを切除する方法です。
  • ポリープ切除術(ポリペクトミー)や、粘膜下層まで切除する内視鏡的粘膜切除術(EMR)内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が行われます。
  • 痛みが少なく、入院を伴わないケースも多いです。

2. 経過観察

がん化のリスクが低い小さなポリープは、定期的な内視鏡検査で経過を観察する場合があります。

3. 外科手術

大きなポリープやがん化が疑われる場合、外科的に腫瘍を切除する手術が行われます。

早期に発見されたポリープは、内視鏡で安全に切除できる場合が多いため、定期的な検査が重要です。

予防方法

大腸ポリープの発生や進行を予防するためには、以下の生活習慣が効果的です。

バランスの良い食生活

食物繊維を多く含む野菜や果物、発酵食品を積極的に摂取しましょう。一方で、動物性脂肪や加工食品(ハムやソーセージなど)の摂取は控えることをおすすめします。

適度な運動

適度な運動は腸の動きを活発にし、便通を改善することでポリープの発生リスクを下げます。

禁煙・節酒

タバコやアルコールは大腸ポリープや大腸がんのリスクを高めるため、控えるようにしましょう。

ストレスを溜めない

ストレスは腸の働きを乱す原因となります。リラクゼーションや十分な睡眠を心がけましょう。

定期的な検査を受ける

特に40歳以上の方や家族に大腸ポリープや大腸がんの既往歴がある方は、定期的に大腸内視鏡検査を受けることをおすすめします。

よくある質問

大腸ポリープはがんになりますか?

一部のポリープ(特に腺腫性ポリープ)は放置するとがん化するリスクがあります。定期的な検査や早期切除が重要です。

大腸ポリープは再発しますか?

ポリープを切除しても新たなポリープが発生することがあります。そのため、定期的な内視鏡検査で再発の有無を確認することが大切です。

検査は痛みがありますか?

大腸内視鏡検査では鎮静剤を使用することで、痛みや不快感を軽減することができます。不安がある場合は医師にご相談ください。

自覚症状がない場合でも検査を受ける必要がありますか?

はい。大腸ポリープは症状がないことが多く、がん化する前に発見することが重要です。40歳を過ぎたら、定期的に検査を受けることをおすすめします。

ポリープを切除した後の生活で注意することはありますか?

切除後は消化に良い食事を心がけ、激しい運動を控えるようにしてください。医師からの指示に従い、経過観察を行いましょう。

大腸ポリープは多くの場合、良性で自覚症状がありません。しかし、一部のポリープはがん化するリスクがあるため、早期の発見と適切な治療が非常に重要です。特に腺腫性ポリープは、大腸がんの前段階とされるため、内視鏡検査を定期的に受けることで、ポリープを早期に発見し、切除することが大腸がんの予防につながります。

また、バランスの良い食生活、禁煙・節酒、適度な運動といった生活習慣の改善は、大腸ポリープの発生リスクを下げるだけでなく、再発予防にも効果的です。