おりものの異常・腟炎
おりものの異常・腟炎について
おりも(帯下)は、子宮や腟からの分泌物が混ざり合ったもので、腟内を潤して細菌の侵入を防いだり、自浄作用を保ったりする大切な役割を持っています。生理周期や年齢によって量や状態が変化するため、普段と違うと感じても様子を見てしまう方が多くいらっしゃいます。しかし、おりものの量や色、においが急激に変化したり、デリケートゾーンにかゆみや痛みを伴う場合は、細菌や真菌、性感染症などの原因による腟炎を起こしている可能性があります。デリケートな部分の悩みはなかなか人に相談しづらく、お一人で抱え込んでしまう方も少なくありません。
当院では、女性医師が患者様のお悩みに優しく寄り添い、丁寧でわかりやすい説明を心がけております。
おりものの異常・腟炎の症状について
おりものの状態は体調のバロメーターとも言えます。以下のような変化や不快な症状がみられる場合は、何らかの腟炎や感染症が疑われますので、我慢せずに受診をご検討ください。
- おりものの量が急に増えて下着が汚れやすくなった
- 黄色や緑色、茶色など、普段と違う色のおりものが出る
- 魚の腐ったようなにおいや、酸っぱいにおいなど、強い悪臭がする
- カッテージチーズや酒粕のような、ポロポロとした白いおりものが出る
- デリケートゾーンに強いかゆみやヒリヒリとした痛みがある
- 排尿時や性交時に痛みや違和感を感じる
- 外陰部が赤く腫れたり、ただれたりしている
おりものの異常・腟炎の診断と検査について
問診・内診・視診
まずは女性医師が丁寧にお話を伺い、症状がいつから始まったか、かゆみや痛みの有無などを確認します。その後、内診台で腟内や外陰部の状態を直接確認する視診および内診を行います。炎症の程度やおりものの性状を目で見て確認することは、正確な診断のための重要なステップとなります。
おりもの検査・培養検査
綿棒のような器具で腟内の分泌物を採取し、顕微鏡で観察したり、培養検査や感染症検査に出したりします。これにより、カンジダ、トリコモナス、クラミジア、淋菌、あるいは一般的な細菌など、炎症を引き起こしている原因菌を特定します。少しの採取で済むため、検査に伴う痛みはほとんどありません。
経腟超音波検査(経腟エコー)
おりものの異常が腟炎だけでなく、子宮や卵巣の病気からきている可能性を考慮し、必要に応じて経腟超音波検査を行います。腟から細い超音波プローブを挿入し、子宮や卵巣の状態を詳しく確認します。
おりものの異常・腟炎の治療法について
検査によっておりものの異常や腟炎の原因が特定された後、それぞれの症状や原因に合わせた治療を開始します。当院では、患者様のライフスタイルやご希望をお伺いしながら、無理のない治療計画をご提案いたします。
薬物療法
おりものの異常や腟炎の治療は、原因となっている細菌や真菌の種類によって適切な薬を選択することが基本となります。カンジダ腟炎の場合は抗真菌薬の腟錠や軟膏を使用し、細菌性腟症やトリコモナス腟炎、その他の性感染症が原因の場合は、それぞれに有効な抗生物質(内服薬や腟錠)を処方します。また、更年期以降の女性ホルモンの低下によって腟の粘膜が萎縮して起こる萎縮性腟炎に対しては、女性ホルモンを補充する腟錠や内服薬、または体質改善を目的とした漢方薬を提案するなど、患者様のライフスタイルや年齢に合わせた治療を行います。かゆみや炎症が強い場合には、症状を和らげる外用薬を併用することもあります。
おりものの異常・腟炎の予防・セルフケアについて
腟炎を予防し、健やかな腟内環境を保つためには、日々の生活習慣を見直すことが大切です。以下のポイントを意識して、デリケートゾーンを清潔で健康な状態に保ちましょう。
- 通気性の良いコットン素材などの下着を選び、蒸れを防ぐ
- デリケートゾーンを洗う際は、専用のソープを使うかぬるま湯で優しく洗い、腟の中まで石鹸で洗うことは避ける
- 生理用品やおりものシートはこまめに交換し、清潔を保つ
- 疲労やストレス、睡眠不足を避け、免疫力を下げないように規則正しい生活を心がける
- 不特定多数との性交渉を避け、感染予防のためにコンドームを適切に使用する
- 抗生物質を服用している時はカンジダ腟炎になりやすいため、体調の変化に気をつける